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ゴルファーになるために支援してくれた人達から学んだこと

文:needlework編集部

とにかくお金がなかったですが、ゴルフには興味をもってしまったのです。中学生の時に、はじめてゴルフに出会い、打ちっぱなしで遊んでみたらこれがとてつもなく面白かった。そこから打ちっぱなしに通い、そこにあるクラブを借りて球を打つ日々です。それまでは釣りが好きだったんですけれどね。人間不思議なものです。しかし、毎日中学生が打ちっぱなしにいけるほど裕福な家ではありませんでした。特に、名古屋の繊維産業は斜陽産業であり、父は町工場の社長でありながら、厳しい経営の日々。そんな中、私は打ちっぱなしに夢中でしたが、お金はない。そんな私をみていてくれていたのが、打ちっぱなし場を経営している社長でした。うちでアルバイトしろ、といって働かせてくれてバイト代をくれながら、打ちっぱなしは好きにやらせてくれたのです。学校から帰って、毎日のように打ちっぱなしができるようになったときの喜びは今でも忘れられません。

そこから自分はプロになろうと志、とにかく練習に明け暮れました。が、やはりお金がない。たとえばこんなことがありました。とにかくお金を貯めて、オーストラリアを旅しながら良いゴルフ場でプレーしたいと考えたことがあります。なんとか貯めたお金は50万円。飛行機代で半分はなくなります。そこから3週間オーストラリアにいると決めていましたが、プレー代でお金はかかり、宿泊費もギリギリでしたが、泊っていたバックパッカーズホテルで知り合った仲間数人が、翌週から借りるコンドミニアムへお前も一緒に来ないかと誘ってくれ、2週間を無料で泊めてくれました。仲間にはツアーガイドがいて、高級ホテルからゴルフ場行の無料バスが出ている事を教えてくれ、それからは毎日無料でゴルフコースへ移動する事ができました。

ゴルフコースで毎日一緒にプレーする方を探していると、ある時お一人でプレーされるオーストラリアの男性がいたのです。かなり年配の方でしたが、自分がプロゴルファーを目指していて、一緒に回ってみたいということを、当時も英語が喋れない中(もちろんGoogleなんて企業は存在すらしてません)身振り手振りで伝えると、面白がってじゃあプレーしてみようとなったのです。自分は背丈は小さかったですが、結構ダイナミックなゴルフをしていました。そしたら、一緒にプレーしている人は、パフォーマンスに大喜びしてくれて、最後は私がゴルフのコーチをしながら一緒にプレーを楽しんでくれました。プレー後に食事もご馳走してくれて、とにかく応援してくれたのです。

私はどうも、こういった人たちに恵まれているようです。一生懸命汗をかく。そこをみてくれている人たちがいる。だから自分もまた、社会にそういった恩返しをし続けていくために、世界の工場を見て回っているのかもしれないなと思う時がふとあります。